今度のクルーズの楽しみの一つはスエズ、パナマの両運河を通ることであった。スエズ運河は1日中砂漠を見ながらの単調な航海だったが、パナマ運河は「船が階段を昇る」ように太西洋から地峡のガトゥン湖まで船を閘門(箱型の貯水曹)に入れて順次引き上げていき、また太平洋へ下ろしていくという誠にドラマチックな構造をしていた。上り下りに船を引っぱる機関車が日本製だということが話題になったりする。
コスタリカ
世界で平和憲法を持つのは日本とコスタリカである。日本と違う所はこの国はほんとうに常備軍を廃止してしまったところだ。周辺諸国が戦争に明け暮れる中、この国だけが平和の中に繁栄して中米随一の豊かな国になったという。火山あり、渓谷あり、緑に覆われた自然の美しさはどこか日本に似ていた。
メキシコ
メキシコにピラミッドがある。ティオティワカン遺跡に太陽のピラミッドと月のピラミッドがある。太陽のピラミッドの中段で疲れ果てて休んでいると、確かな足取りで頂上へ上っていく高齢者がいた。あの人元気だなあと感嘆して見ていた。後日食事で同席したので、声をかけた。85歳で心臓病を始めさまざなな病気を抱えている。「もう、いつどこで死んでもいいですから」という。旅で出会った忘れ得えぬ人の一人である。
バンクーバー(カナダ)
近代的な港、洗練された街並み、近郊の山並みも美しく、豊かな森林に取りまかれ、森林の中には公園があり、公園にはトーテンポールが立ち、渓谷には吊橋がある。上品で、非の打ちどころのない観光都市であった。
アラスカ
船上生活
船は国際交流の船だから、各寄港地ごとに現地のNGOが乗り込んでくる。毎日の船上が国際交流の場となる。この船は普通の観光船と違って、船の催しのみならず、乗客が主催するダンス、スポーツイベント、コンサート、映画、手話教室等々の自主企が画毎日100を越えた。人々はタイムテーブルを片手に好みの行事や会合を渡り歩く。乗客800名、夫婦60組という。私も夫婦組で、キャビンを我が家と住みなして、常連になっている手品教室、八段錦(中国式健康体操)、デジカメ倶楽部へ顔を出し、先住民問題連続講義などお勉強も楽しんだ。さまざまな出会いの96日であった。
掲載写真は一部ピースボート41回地球一周クルーズ「デジカメ倶楽部」の
「世界一周アルバム」作品を使用させていただきました
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